天皇制は神道の一部である
なぜ天皇は、古代社会の中で尊崇を集めたか、という事を考えれば分かるだろう。古来天皇はアマテラスオホミカミという神の子孫であるとされていた。そのアマテラスの親が国土を造り、アマテラスの子孫が統治することになったと神話は言う。それが正当なことだと古代においては考えられていたのだ。
こうした神話の事を王権神話という。
王の正当性を主張する神話のことである。
古代社会はどこでも王権神話の世界だった。
しかし、やがて仏教やキリスト教などの高等宗教が広まると、これらの王権神話に基づく国は少なくなり、20世紀では、日本だけになった。日本では19世紀に「天皇の統治の正当性」が唱えられ、明治国家では王権神話が学校で教えられるようになった。小学生から、古事記や日本書紀を習い天皇の名前を覚えるのが教育とされていたのである。天皇は神だと教えられ、神社は国家によって手厚く保護された。