2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

山折哲雄『天皇の宗教的権威とは何か』に見る「王権神話」考察の乏しさ

山折哲雄『天皇の宗教的権威とは何か』(河出書房新社,1990年)にこういう文がある。 明治21〔1888〕年6月18日,数ヶ月前に総理大臣を辞任して枢密院議長に就任していた伊藤博文は,その自分の掌握下にあるこの枢密院に憲法制定会議を召集して,威風堂々の…

【メモ】詐欺師吉田兼倶 『吉田神道の四百年 神と葵の近世史 』

応仁の乱後の荒廃した京で、野望を燃やす公卿が居た。伊勢神宮に神敵と呼ばれた、神祇官令長上、吉田兼倶。(よしだかねとも) 天上の神道家である天児屋根命の妙業を受け継いだ吉田家の開祖は 唯一神道こと原本宗源神道を説き、権力者に取り入っていく。 『…

<幕末歴史メモ> 佐賀藩(肥前藩)

明治維新を 推進した薩長土肥 長崎、有田を領地に含む佐賀藩は、戦国・江戸時代を密貿易によって、財を蓄えた。18世紀、衰退した中国磁器に代わり、有田焼が欧州に広まっていく。幕末になると鍋島藩主は、欧米から多くのものを取り入れ、軍の近代化をはげ…