闇を見よ

 世の中が暗いから、せめて明るい話題を振りまきたい・・・という人もいるだろう。
しかしそれはしばしば、表面の明るさを演出するだけになり易い。
明るい演技であり、その演技には無理がないだろうか?
 
 それよりも暗いものをジーと見つめてみよう。
10年間以上。
自殺する人が3万人を超えている国だ。
明るいわけがない。
そしてそんな人達も私の一部なのである。
 
 本当の希望は、その暗がりを見つめながら見つけるものだ。
 昔「世の中を革める夢」を見た男がいた。
 どの地方よりも身分差別が厳しい土佐に育ち、その身分制度の矛盾性を身を持って知っていた。
だからこそ「農民でも大統領になれるアメリカ民主主義」に出会った時、感動した。深い絶望を知るからこそ、希望に出会う時、命を賭してでもその実現を目指したのである。
 暗闇を生きる自分を知るからこそ、光が見える。