歴史修正論の主張

90年代初頭、旧ソ連が崩壊し、冷戦構造が瓦解すると、世界中で民族主義の問題が持ち上がり、旧ユーゴの民族紛争、ネオナチの活性化などが起こった。
ドイツのネオナチは外国人排撃テロを引き起こし、またヒトラーユダヤ人の友であった」「アウシュビッツの大量殺人はウソである」などの歴史修正主義の主張がなされた。
 
この頃日本でも、「従軍慰安婦に関する論争がもちあがり、やがて右翼人士により、『新しい歴史教科書を作る会』などが、生まれその歴史修正論をしきりに唱え始めた。
彼らの主張を要約すると
「日本人(日本国)はそんなに悪い事はしていない。むしろ良い事をたくさんやったのだ」と言う事だ。
 
北朝鮮とよく似た国であった大日本帝国の日本人の中にも良心的な人がいるのは、当然である。
彼らはこれを宣伝すると同時に
慰安婦の強制連行などに対しては、公式文書による証拠を示せ・・・と述べ・・・公式文書による証拠が無いのだから、慰安婦の強制連行は無かったと主張したのである。
 
だが公式文書による証拠が無いのは、「良い事をした日本人の話」も同様なのである。
だが「良い事」は公式文書が無くても、ただ証言だけでOKらしい。
 
しかし、従軍慰安婦問題のように、日本人の罪を言及したものは、証言だけでは無く、公式文書が必要らしい。
極めて恣意的解釈と言うしかないだろう。
 
日本におけるもう一つの歴史修正論の主張は「ユダヤフリーメイソン陰謀論」である。
さすがに歴史学者でこれを支持する者はほとんどいないが、歴史に疎い人達をたぶらかしながら、第一次、第二次の大戦もロシア革命もみな陰謀だと言う人達がいる。
このフリーメイソン陰謀論も、冷戦構造の崩壊とともに、急に著作物が増えたのである。
いずれにせよ馬鹿げている。