日本を狂わせたのは、何か?



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 ( 神道の本』 三橋健


三橋 健(たけし)は、日本の神道学者。元國學院大學大学院客員教授。専門は神道史、祝詞の研究。 國學院大學文学部文学科卒業。同大学院文学研究科博士課程神道学専攻中退。1993年「国内神名帳の研究」で國學院大神道学博士。定年退職後「日本の神道文化研究会」を主宰

国学復古神道が明治政府に与えた影響は大きかった。それは上の神道の本』 に書かれている通りだ。
しかし、それは決して、よい影響とは言えないだろう。なぜなら、神道の理論、理屈は嘘と詭弁の連続だからである。嘘つきの指導を受ければ、道を間違えるに決まっている。

ところが、言うまでもない話だが、上記のような国学院大学の宗教学、神道学の教授たちは、決して、そんなことは書かないのである。

「神国日本だから神風が吹いた」という理屈を唱えた伊勢神道

自分で奇跡を演出しておいて、「奇跡が起こった」と騒いだ吉田兼倶

そして嘘つき本居宣長 とその弟子を自称した山師 平田篤胤

嘘つきばかりである。

手元には、国学院神道事典』ももっているのだが、有名な逸話も書いていない。

まあ、国学院」というぐらいだから、国学を批判するわけにはいかないのだろうが。



著名な法制史家の瀧川政次郎は『日本歴史解禁』の一篇「国史歪曲の総本山平田篤胤」で平田篤胤を「山師」として批判をしている。

「彼は生前から「山師」といわれた如く、人格下劣な大山師であった。この大山師のインチキな思想によって、維新の功臣達が指導せられたことは、正に日本国民の大なる禍い〈ワザワイ〉であった。明治政府が百年の齢〈ヨワイ〉を保ち得ずして崩壊した根本的原因は、茲〈ココ〉にあるものと私は考えている。軍人の反アカデミックな気持は、大学を追われた平田学の残党の反アカデミックな気持と共感を呼ばない筈はない。故に軍人は、その思想的空虚も手伝って、平田学に共鳴し、傾倒していった。軍の思想家といわれる小磯国昭荒木貞夫東条英機等が、平田学者である今泉定介〈イマイズミ・サダスケ〉、山田孝雄〈ヤマダ・ヨシオ〉と仲が良かったことは決して偶然ではない。この軍人と平田学者との反アカデミックな陣営に加わったのは、帝大に入り損じて帝大を呪う蓑田胸喜〈ミノダ・ムネキ〉、三井甲之〈ミツイ・コウシ〉等の浪人連中であった。『南淵書』〈ミナミブチショ〉という偽書を作って青年将校を五・一五に導いた権藤成郷〈ゴンドウ・セイキョウ〉も「こういう書物のあることは、帝大の先生方も御存じない」といって、軍人を随喜渇仰せしめていた。日本を滅茶滅茶にしてしまったのは、これらの反アカデミックな不平党であって、軍人達の小さな不平が国を滅ぼしたという幣原喜重郎〈シデハラ・キジュウロウ〉の見解は正しい。明治維新の原動力となったのものも、陪臣〈バイシン〉の直参〈ジキサン〉に対する不平不満である。」


日本を狂わせたのは、何か?
答えは簡単である。