偽装された戦争(4) グエン・カ・オキの妄言
ベトナム戦争で米国が敗退した理由の一つとして我々が理解しておかなければならないのは、グエン・カ・オキ首相の妄言である。
今日オバマは、安倍の歴史修正妄想には頭を痛めているだろうが、それよりもはるかに問題児ぶりを発揮したのがグエン・カ・オキ首相である。1965年7月25日の英国ジャーナリストとの会見で
麻生の「ナチスに見習う」も世界に報道されたが、それよりはるかにこのセリフは自由世界に知られた。
3カ月後には、オーストラリアを訪問し、同じ言葉をもう一度繰り返している。
また仏僧による抗議のための焼身自殺が世界中に報道されるようになった時、米国から援助の上前をはねてゾージャスに暮らしていたゴ・ジン・ジェムの弟の妻が「あれは単なる坊主のバーベキューにすぎない」と言い放ったことも、あっという間に世界に報道されてしまった事もあった。
この時彼女は「あの発言は自分の真意ではない」と言い訳しているが、この手の言い訳は最近の日本ではよく聞く話である。
さて、これに対して北ベトナムのホ・チ・ミンは、「独立と自由より尊いものはない」という魅力的な言葉を述べていた。もちろん、一度共産化されてしまえば、どこにでも強制収容所が造られ自由も何もない世界が造られる事ぐらい今日の我々は知っているが、当時の人々はそんな事は知らなかった。ソルゼニーツインの著作さえ、まだ世に出ていなかったのだから。
こうして軍の士気に大きな差がついていた。この差はナパーム弾ぐらいでは埋まらないだろう。