朴裕河と上野千鶴子



2月22日(日)に〈「帝国の慰安婦」という問いの射程〉と題するワークショップをするというお知らせが、メールに入っていた。

場所は、立命館大学

パネラーは朴裕河(世宗大学校)、平井和子(一橋大学)、森岡正博大阪府立大学)、上野千鶴子立命館大学


慰安婦問題は「帝国日本」が招き寄せた問題だそうだ。朴裕河によると「帝国」とは

慰安婦を必要とするのは、普段は可視化されない欲望ー強者主義的な支配欲望です。それは国家間でも男女間でも作動します。現れる形は均一ではありませんが、それを私は本書で「帝国」と呼びました」
だそうだ。

「帝国日本」ねえ?

この手の意味の分かりつらい言葉で慰安婦問題を論じるのは、朴裕河の得意技といえる。


帝国主義」という言葉を使った批判は昔は共産主義者の得意技だった。レーニンの述べた帝国主義は列強諸国による植民地分割支配のことであり、資本主義の独占段階であるという。国家が帝国主義に従って領土(植民地)を拡大するなら、世界は有限であるから、いつかは世界大戦が起こり、その結果としての破局が資本主義体制の破局につながると指摘した。つまり共産主義社会の到来というわけだ。しかし実際には、第2次世界大戦の終わりとともに植民地争奪は終わり、膨張していた大英帝国さえ大幅に縮小した。皮肉なことにレーニンの予言はソ連だけに当てはまり、四方八方に軍隊を送ってはその膨張主義を「ソ連帝国」と揶揄される始末。そしてソ連帝国は崩壊した。

朴裕河や平井和子、上野千鶴子あたりが、まともに慰安婦問題を理解しているとは到底思えない。森岡正博に至っては、門外漢というしかないが、どんなデタラメな議論がなされるのか、興味のある人は行けばよいだろう。





        上野千鶴子の「慰安婦」論
上野千鶴子の「慰安婦」問題理解に対する吉見義明教授の批判>