性革命はただの先祖帰り














1960年代、アメリカで「性革命」が引き起こされた。
立花隆の『アメリカ性革命報告』は有名であろう。

理論支柱となったのはネオフロイド派の「性道徳教育」であった。「こうした道徳はすでに古臭いものであり、「性の解放」をしなければならない」というわけだ。

この性の考えた方は、少し遅れて、日本にも輸入され、学生運動家たちの間で「性の革命」が言われはじめた。

70年代になると由美かおる主演で映画にもなった『同棲時代』や79年には当時は「女子大生の赤裸々な性」と話題だった『もう頬杖はつかない』などが描かれた。
これらは、今ではたいしたことは無いが、当時はセンセーションだったのである。

知っておかなければならないのは、日本にはもともと「性解放」の豊かな土壌があったことだ。

今井七七子氏が、学童疎開を振り返りながら、小学生女子まで淋病に感染していたことに触れ、「売春帝国日本でしたからね」(早川紀代『軍国の女たち』)と回想しているように、いたるところに大規模な遊郭が乱立し、戦地にさえ慰安所が造られていた。

昔の日本は「性の自由」が進んだ国だったということである。

そういう国にしたい勢力があって、せっかく確立して来た<一夫一婦人>制に基づく性秩序を再び破壊しようとしている。

このブログで言及して来たように古代ではどこでも「フリーセックス」であった。そういうところから秩序を形成してきたのに、また古代に戻そうというバカみたいな話である。