扇長知事と日本会議の「半植民地」論




              1 「半植民地」論

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(「朝日ジャーナル 2016年 7/7号」より)

「日本国が独立しているというのは神話であるといわれないようにしてください」と安倍首相と菅官房長官に向かって言ったという扇長知事。



そりゃあ、「何をバカな」とは言わないだろう。安倍も菅もこの手の理屈には馴れっこなのです。「日本は独立国のはずなのに実際は米国の植民地のようなものだ」という意見はしばしば、右派雑誌に載っています。もちろんそれは改憲をいざなうためです。安倍たちに多大な影響を与えているという右翼組織・日本会議の理屈もこうなっています。

[ブラジルからの提言]日本に新しい憲法を!!
平成26年01月9日
戦後進駐してきたアメリカ軍は、日本の軍隊を無条件降伏させて軍隊を解体させてしまった。マッカサーを代表とする日本占領軍は、政策を遂行するGHQより、次々と指令をだし、日本を弱体化させるためのあらゆる手段を駆使すると同時に、占領政策の一環としてアメリカ流のシステムを作りあげていき、果ては日本国憲法まで思いのまま作りあげ、自由を認めない占領下においてあたかも日本の政治家たちが作った形にして、憲法を発布した。

憲法前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれ、日本国の生存は他国に委ねることになった。また第9条では「陸海軍、その他の戦力は、これを保持しない」と詠い「国の交戦権は認めない」と宣言している。これは他国が攻めてきた場合、自国の安全保障を他の国に頼まないと日本国家は生き延びる術はないことを意味している。他の国とはアメリカである。この憲法が発布された時から、日本はアメリカの属国になることが決まったとブラジルに住む日本人は考える。

第1条では国民の心のよりどころであった天皇を、元首からただの象徴に格下げした。また皇室範展を変え、11宮家を皇族離脱させ、万世一系を保つことを不可能にし、皇室のあり方を変え、国民の求心力を解体することを目論んだ。また世界中から絶賛されていた「教育勅語」を廃止させ、公への奉仕や献身を大事にすると言う日本人の特性を根底から潰しにかかった。

このような状態が戦後68年も続いている。国体にしても皇室の問題にしても、その根っこは現在の日本国憲法がゆがんでしまっているために起こっている。日本人が日本の歴史と文化をベースにして、新しい憲法を作らねば、いつまでたっても「アメリカの罠」に片足だけでなく、心までむしまばれたまま、半植民地国家の枠を出られない

(以下略)
http://www.nipponkaigi.org/opinion/page/2


つまり占領軍の影響が今も続いていて、心までむしまばれたまま、半植民地国」 なんだ。 だから憲法を変えようという主張です。

安倍も菅もこういう理屈はよく知っているので、「神妙に」聞いていたというわけです。
むしろ、これをどう改憲に結びつけるか、どう国防軍に結びつけるか、後で相談したのではないでしょうか?

            2、国防軍設立への抵抗

この沖縄基地の問題には、昔の左翼が暗躍しています。「安保反対」「米軍基地を撤退せよ」というわけです。

これには私は反対です。
なぜなら、安保が解消され、米軍が撤退すれば、右派は「国防軍の設立」を強く訴えるでしょう。

現在、国防軍の設立」を反対できるのは、「米軍がいるじゃないか、だから安全だ。国防軍を造る必要なんて無いよ」・・という理屈があるからです。

しかし、米軍が撤退すれば、もはや我々は国防軍の設立」を強く反対することはできなくなります。国民に抵抗力がなくなってしまう。

ですから、「安保反対」「米軍基地を撤退せよ」とか言うのは反対です。沖縄の人達の負担軽減に、必要なのは「県外移設」だと思います。

鳩山由紀夫氏が総理になって、県外移設を唱えましたが、彼はこれを実現できなかった。しかし、アイデア自体はよかったと思います。

こういう問題には、反米主義者が暗躍するのが相場であり、反米扇動しますから、気をつけなければならないと思います。反米感情の持ち主は、右にも左にもいるのです。そしてその歪んだ考えは、この国の行く末に問題を造ってしまうのです。

だから、国防軍を設立したければ、「安保反対」「米軍基地を撤退せよ」と言っていなさい。私は軍隊を持つのがいやなので、安保破棄なんて言わないだけです。