昔と似ている今
起源前のお話。
古代ギリシャと古代インドで同時期に「歴史は繰り返す」という思想が生まれた。
輪廻思想である。
その名の通り、輪になって回っているのだという。
それから哲学者ヘーゲルが述べたり、トインビー(歴史家)が主張したりした。トインビーは、アルバからオメガに向かって直線的に到達する『聖書』の歴史観と古代ギリシャと古代インドの輪廻思想を組み合わせ、似たようなことを繰り返しながら、進んでいく歴史モデルを提示した。
こうしたことを知ってか、知らないでか?何人かが日本の近現代史の反復(輪廻)を唱えている。
『2022-これから10年、活躍できる人の条件』神田昌典と
『戦後の思想空間』大澤真幸
である。
どんな説なのか?今日は神田昌典さんの『2022-これから10年、活躍できる人の条件』を見ておこう。
70年周期説
特に第一次大戦の景気とバブル景気の比較は見事である。
いい線をついているのだが。
私はもう20年以上も前に、「73年周期説」を唱えたが、それはこういう反復をしたのである。
1941年12月、太平洋戦争が起こった。
それは2013年頃からの産経新聞に誘導された歴史戦に反映したのである。
テーマはいうまでもなく、戦前大日本帝国のあの戦争が、正しい戦争だったか否か、である。右翼側(歴史修正主義)は「聖戦」という。しかし我々は「侵略だった」という。右翼は「慰安婦はただの売春婦だ」という。そういう事で責任が無いことにしたいわけだ。しかし我々は「奴隷制度のような酷いものだった」という。右翼は「南京虐殺などなかった」という。しかし我々は、「南京事件では多数の人が虐殺された」という。
歴史認識をめぐる対立があった。
ではいつまでこれは続くのだろうか?
それはだいたい、4年くらいだろう。
だから、今年にはおおまかな決着がつくだろう。
右翼側が勝つことなどあり得ない。
時期は実際のところ、ちょっとずつずれている。
それから、似たようなことは起こるが、まったく同じではない。
状況が違うため起こらないこともある。
それでも、この神田さんが感じたように、何か似た部分があるのである。
昔と今が。
不思議だろうか?
そうでもないだろう。