シェルドレイク仮説の真偽

ルパート・シェルドレイクの『形態共鳴説』については、以前
http://blogs.yahoo.co.jp/kurodakango/3380567.html で少し取り上げたので、これを機に詳しく解説しておこうと思いました。
 
              シェルドレイク仮説の真偽
 
科学は過程の学問です。
ゆえに昨日まで常識のように信じられていた説が、今日は否定されてしまうのかも知れない。
そんな宿命を持っている訳です。
 
これから紹介するシェルドレイク仮説には賛否両論が渦巻いており、反発した人達が感情的になり、本を燃やすと言う現代焚書事件まで引き起こしたと言うイワク付きです。
科学者は冷静かと言うとそうでもなく、熱くなり易いらしい。
 
初めて私がこの説を知った時、大笑いしてしまいました。
なぜシェルドレイク仮説に人々がこれほど反応したかと言うとこの仮説は従来の機械論的世界観を見事に否定してしまっているからです。
自然科学の前提条件を否定していた。
にもかかわらず、その説の正しさは実験的に証明する事ができる
大笑いです。
 
反発する人達はたくさんいるでしょう。「オカルトだ」とか言って・・。
けれどもこの世界というものは元々オカルト(秘密)めいたものなのです。
神が創ったのだから、いろいろな神秘が隠れているし、現代科学の最先端を見ていたシェルドレイクはその秘密の一つの面に到達しえた。
自然科学はかつて分離した宗教の領域に再び踏み込んで行くようになるのです。その一つがシェルドレイク仮説です。
 
 
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シェルドレイク仮説に対する人々の反応は新しい宗教に対する人々の反応によく似ている。
自分の観念とは違うもの、新しく優れたものが現れても、それを認めない。
焚書したり、排斥したり、迫害したりする。
このブログの中で書いて来た、仏教伝来時の物部氏や、天主教伝来時の秀吉、家康のようなものです。
あるいはプロテスタントが生まれた時のカソリック。仏教が伝来した時の中国。
しかし、本物は生き残って来たし、偽者はやがて消えていく。
シェルドレイク仮説は生き残るし、我々の子孫の代では当然のように、教えられるようになるでしょう。
 
 
 
シェルドレイクの仮説 (形態形成場(モルフォジェネティク・フィールド)仮説)
とは英ケンブリッジ大学の教授であった
ルパート・シェルドレイクの唱えた仮説。
 
この仮説はまず「一度起こった事はもう一度起こり易い」という事を説明してくれます。
日本の諺では「2度有る事は3度ある」と言いますが、そういう事もそれなりに説明している。
シェルドレイク自身は生物学者ですが、生命現象だけではなく、化学の分野で起こる事も説明しています。例えば「エチレンジアミン酒石酸塩」の話。
 
 
 1950年代のこと、ある民間会社の工場で産業用にエチレンジアミン酒石酸塩という化学物質の大きな結晶を水溶液から成長させてつくり、それを別の場所で切って磨く作業をしていた。ところがこの工場開設一年後に、結晶をつくるタンクの中で異変が生じた。できる結晶の品質が悪くなったのである。表面には他の結晶が付着し、しかもその結晶は成長速度が速かった。また、切って磨いた結晶の表面にも同じような結晶が発生したのだ。そしてその現象は他の工場にも現れ、やがていたるところに現れたのである。

初めは何か他の物質が結晶に付着していたのだと思われた。しかし詳細に分析してみると、その結晶はエチレンジアミン酒石酸に水の分子が一つくっついた形の化合物だったのだ。今までつくって販売していたのは純粋にエチレンジアミン酒石酸塩の結晶だったが、突然、エチレンジアミン酒石酸の分子の中に水の分子が一つ入った形の結晶ができはじめたのである。この会社は工場開設前に数年間の研究と試験的製造を行ってきたが、その間一度たりともそんな結晶はできなかった。しかし操業開始一年後のある日を境に、それはできはじめたのである。

...「シェルドレイクの仮説」は、この現象をうまく説明することができる。つまりひとたびある物質の結晶が、ある形をもってこの世に出現すると、それを形成した一種の「場」が同じ物質に影響を与え、同じ形の結晶を作らせると...。

喰代 栄一: "なぜそれは起こるのか", 1996 (Amazon)] pp.21-22より]
 
 
つまり、ある時点まではできなかった結晶がある時点から急にできるようになったのです。
では、なぜそんな事が起こったのか?
 
全ての存在は「形の場」というべきものを持っている。
この「形の場」は空間を越えて作用する。エチレンジアミン酒石酸塩に水の分子が混入して結晶ができ始めると「その形の場」の形態形成に影響を与え、空間を超えて作用したのである。結果すべてのエチレンジアミン酒石酸塩が水の分子を加えて結晶化するようになったのである。
これらは「形の場」による「形の共鳴」と呼ばれるプロセスによって起こる、と言う。
 
  
 
 
さて次回はいよいよ生物学にさらに踏み込んで行きます。「100匹目の猿」や「牛乳を飲むシジュウガラのお話」そして公開実験の結果について。