シェルドレイク仮説の真偽 その2

  シェルドレイク仮説をまとめます。
  1. あらゆるシステムの形態は過去に存在した同じような形態の影響を受けて、過去と同じような形態を継承する。(時間的相関関係)
  2. 離れた場所に起こった一方の出来事が、他方の出来事に影響する。(空間的相関関係)
  3. 形態のみならず、行動パターンも共鳴する。
  4. これらは「形の場」による「形の共鳴」と呼ばれるプロセスによって起こる。
つまりこの仮説からは「直接的な接触が無くても、ある人や物に起きたことが他の人や物に伝播する」と言えるし、又「過去に起こった事は未来にも起こり易くなる」とも言えます。
 
いろんな事象を説明できます。
例えば、一卵性双生児の間にテレパシーのようなものが働く事はよく知られています。
一方が足に怪我をする。するともう一方も同じ処を怪我する、とか。
そんな共鳴が起こるのですが、シェルドレイク仮説はそれを説明できる。
 
発明や発見が同時多発的に起こる事も説明されます。
エジソンとベルが同時に電話を発明したように、世界史には同じ時期に同じような着想を持って発明や発見がなされる事があります。
 
さて生物学。 
百匹目の猿」の話。
 
幸島に棲む猿達に餌付けをしていたところ、
一匹の若いメス猿(イモと名付けられた)が泥だらけのサツマイモを
水で洗って食べるようになったのだそうです。
 
この日本猿の世界のピタゴラスの発見を真似て
その島に棲むほかの猿達も猿真似してサツマイモを水で洗って食べるようになる。
ここまでなら、ただの「群れでの学習」ですが、ある時期、この新たな猿のイモを海水で洗うという行為が、
幸島以外の海を隔てた他の島の猿達にも見られるようになったと言う。
数十キロ離れ、相互に行き来できる距離では無いと言うのに、なぜイモの発見は他の島の猿にまで伝わったのか?
不思議な話です。
 
シェルドレイク仮説から言えば、ある一定数の猿が”イモ洗い”をするようになったとき、「形の場」を通して”イモ洗い”の行動が共鳴的に伝わったと言うわけです。
似たようなことは、英国のシジュウカラ 牛乳を飲むという学習行動にも見られたのだと言う。
 
ただし、この「百匹目の猿」の話は創作ではないか、という疑いもあります。http://blackshadow.seesaa.net/article/6432489.html ワトソンと言う人が創った創作らしいのですが、「イモ洗いをする猿」、「それからしばらくして別のところでイモ洗い行動が見られた」というところまでは本当らしい。ただそれはそれほど明確ではなかったのでワトソンが『生命潮流』の中で、作り話を交えながら書いたものでしょう。
  しかしシェルドレイクの説を説明する時に説明しやすいので、現在でもよく使われています。
 シェルドレイク本人は、この話を証拠としては書いていません。
 

さてでは、どんな実験が考えられるでしょうか?
 
1983年、イギリスのテレビ局テームズ・テレビによってシェルドレイクの仮説を調査する公開実験が行われました。
 一種のだまし絵を2つ用意し、一方の解答は公開しないものとし、もう一方の解答はテレビによって視聴者200万人に公開する。
 テレビ公開の前に、2つの絵を約1000人にテストする。テレビ公開の後におなじように別の約800人にテストをする。いずれも、この番組が放映されない遠隔地に住む住人を対象とした。
その結果、テレビ公開されなかった問題の正解率は放映前9.2%に対し放映後10.0%であり、もう一方のテレビ公開された問題は放映前3.9%に対し放映後6.8%となったという。これにより『公開されなかった問題では正解率は余り変化しなかったが、公開された問題は大幅に正解率が上昇した。
 
テレビによるこの公開実験の結果はシェルドレイク仮説が証明された結果となりました。
 
日本でも、日本テレビがシェルドレイクの仮説の実験(2000年11月11日)を放映しました。「世界を変える7つの実験」のひとつ。
 
実験はその他、ラットを使ったものなど、多くなされていますが、いずれも仮説の正しさを証明しています。
 我々の日常の中にもこの仮説で説明できるものがイロイロとあるかも知れません。
 
 
<参考サイト>(批判サイトもあります)