人間関係を勝利する

 初めて会った時から、嫌な奴だと感じていた。
だが、いろいろあってやがて互いに相手を誤解していた事に気付き仲良くなって行った。
 
こういう体験は無いだろうか?
ユング心理学の理論家達は、こうした現象を「投影→投影引き戻し=過程」で説明している。
 
我々は自分の内面の嫌な部分を外部へと投げかける(投影)
投げかけた相手を嫌うが、実は自分の一部を嫌っているだけなのである。
しかし、その嫌っていた相手を受け入れる事で、自分の内面をも受け入れているのである。
こうして投影したイメージは引き戻され、彼の人格は成長していく。
 
この「投影→投影引き戻し=過程」で、人間関係の全て、人格の成長の全てを説明できるわけではない。
しかし、時折我々はこのような体験をするのである。
 
人間関係で悩む時、しばしば、自分のある一面を持った人に悩まされる事も多い。
傲慢な人は傲慢な人に苦しめられやすい。
そして自分が傲慢さから脱却する時、相手が変わったように感じるが、実は変わったのは自分である。
 
自分の内面の成長と周りとの人間関係が、一つのセットとして同時進行していくと言うお話である。