理由もなく殴る・・・その１
で
子供の頃の話です。
小松左京の『戦争はなかった』と言うＳＦを読んでいると「理由もなく、上級生や教師に殴られ・・・」「殴られっぱなしの少年期をすごし・・・」と書いてありました。
野坂昭如の本にも「上級生」「教師」「将校」などに殴られ続けた・・と書かれていた。
それで私は父親に聞きました。
「どうして戦前は理由もなく子供を殴っていたの？」
父親はうつむいて何も言いませんでした。
彼は昨日まで「天皇バンザイ」と叫びながら子供を殴っていた教師達が、敗戦後、ニコやかに「民主主義バンザイ」と叫ぶその姿に痛く傷ついていました。
同じ質問を叔父にすると叔父は苦虫を噛んだような顔で
「時代がそうだった。そう言う時代だった」と答えた。
まだ、小学生だった私にはこれ以上追求できませんでした。
ただ、
小松左京の『戦争はなかった』と言うＳＦを読んでいると「理由もなく、上級生や教師に殴られ・・・」「殴られっぱなしの少年期をすごし・・・」と書いてありました。
野坂昭如の本にも「上級生」「教師」「将校」などに殴られ続けた・・と書かれていた。
それで私は父親に聞きました。
「どうして戦前は理由もなく子供を殴っていたの？」
父親はうつむいて何も言いませんでした。
彼は昨日まで「天皇バンザイ」と叫びながら子供を殴っていた教師達が、敗戦後、ニコやかに「民主主義バンザイ」と叫ぶその姿に痛く傷ついていました。
同じ質問を叔父にすると叔父は苦虫を噛んだような顔で
「時代がそうだった。そう言う時代だった」と答えた。
まだ、小学生だった私にはこれ以上追求できませんでした。
ただ、
戦争の、
アマテラスの、
暗い情念の世界を感じていた。
そして「大人になったら、必ず追求しよう。」と決めていた・・・。
そして「大人になったら、必ず追求しよう。」と決めていた・・・。
と書きました。
この「理由もなく子供を殴る」習慣は日本軍から来たものです。
日本軍では、徴兵した新人兵士を殴るのは、当然でした。
そして軍縮によって全国の学校に配置された軍人達は「たるんでいる」と述べて子供を殴っていたのである。
それが、戦争も末期になるとイヨイヨ過激になって行ったのである。
ところで、「日本はアジアの解放」のために戦ったのだ」と述べる政治家の妄言があるが、自国の子供にさえ、愛情は感じず、理由もなく殴っていた軍人達が、他国の人のために生命を捨ててまで戦うわけが無いではないか。
