近現代史の探求法

近現代史の探求法で最も大事なのは何か?
それは、昭和初期くらいまでなら、当時を生きていた人の話を聞く事である。
今の20才くらいの若者達にとっては、おじいさんやおばあさんがギリギリ戦争を体験している世代だろう。
しかし、現在の核家族でたまに遊びに行く程度のつきあいでは、そんな話まではできないかもしれないが。
そこで必要なのは本を読む事だが、私がお勧めするのは山本七平司馬遼太郎である。
山本は『私の中の日本軍』など、珠玉の輝きを持つ作品を書いている。
 
いろいろな人の体験談を聞いておくのも重要だ。
  ある人はこう書いている。

 母から聞いた話では、「その当時は赤紙がくると行きたくなくても行かないと家族がみんなから「非国民だ」と白い目で見られて住めなくなるから行かざるを得なかったとか、戦争反対を少しでも言うと赤だと言われて特高に捕まり獄死した人が
たくさんいた。。。とか、本当は福岡に原爆が落ちるはずだったけど、その時福岡の上空は雲で覆われていてアメリカ軍が雲のないところに落としたら長崎だった。」とかいろいろ聞きました。
終戦が近つ”くにつれて、田舎にまで軍の人が来て「鉄がた
らない。」と言って各家にあったフライパンやら鉄に関連するものは全てもっていかれたということなんですが、それを見ていた私の叔父が「この戦争負けるな。」と言ったのを祖母が「そんなこと言ったら捕まるから絶対に外では言ってはいけない。」と諭していたそうです。
特別攻撃隊(特攻)なんて生きて帰ってきたら恥とまで言わ
れて人間爆弾を余儀なくされましたし、昔の人たちは本当に気の毒だったと思います。
昔は自由なんて何一つなく、人権もなかった時代でしたが、
今は本当にいい時代ですね。

この手の話は当時を生きていた人の多くから聞けるはずである。

こうした証言は情報の宝庫である。
当時の雰囲気が伝わって来る。