戦争末期の沖縄の集団自決

「史実歪曲、我慢ならん」元教員が危機感
 
「我慢ならない」―。八重山地区の中学校教科書の選定をめぐる問題で、「集団自決(強制集団死)」体験者の元教員、吉川嘉勝さん(72)=渡嘉敷村=は、教科書で史実が歪曲(わいきょく)されることに危機感を募らせている。「新しい歴史教科書をつくる会」系の教科書採択に反対する市民集会で講演した17日には、玉津博克石垣市教育長とも面談し、自身の体験を語った。「『集団自決』についてあまり理解していないと感じる質問が多かった」と印象を語り、「『つくる会』系の教科書が採択されれば、混乱はさらに広がる。自覚すべきだ」と訴える。
    
 吉川さんは「子どもと教科書を考える八重山地区住民の会」が17日に開いた市民集会前に、同会の大浜敏夫事務局長とともに、八重山採択地区協議会会長の玉津教育長と面談。66年前の3月、生まれ育った渡嘉敷島で起こった惨劇を約1時間にわたり説明した。
 当時6歳。米軍の空爆や艦砲射撃が激しさを増す中、島内に駐屯する日本軍により、数百人の住民は軍の陣地のあった北山に集められた。吉川さん一家は親戚らと30人で輪になり、手渡された手りゅう弾で自決を試みたが、不発。母ウシさんの「死ぬのはいつでもできる」という言葉で自決場を後にした。
 
                           (中略)
 
 吉川さんは、高校歴史教科書の沖縄戦「集団自決」記述から、軍強制を削除するよう求めた文部科学省の検定意見に端を発し、2007年に開かれた「教科書検定意見撤回を求める県民大会」で初めて体験を口にした。
 「11万人の県民が集まっただけでなく、会場に足を運べない県民も関心をもち、島ぐるみの動きになった」と意義を強調する。「八重山で『つくる会』系の教科書が選ばれれば、県民に対する大きな裏切り。その後、子どもたちが使うことで混乱もさらに大きくなる」と懸念した。
 
 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-08-20_22317/

 
 沖縄タイムスのサイトより引用。