戦後70年個人談話



あの戦争で
たくさんの人が たくさんの大切なものを失った
人々は
家を失い
財産を失い
身体の一部を失い
肉親を失った
誰かが何かを得ただろうか?
何も得ていないのだ。

最初から無意味なる欲望から生じたあの戦争は
まるで破壊の神のように
アジアの人々を蹂躙し
娘を犯し
家族を殺した

いや 戦争は ではない

大日本帝国というかつてあった国で
その中で臣民と呼ばれて生きていた我々の先祖がやったことである。

70年を経て
今、我々はあの戦争を忘れないための努力をしなければならない。
体験者がまだいくらか生存しておられるうちに、メモリアルを造らなければならない

そうしないとまた邪な者たちが
記憶を失わせ
あの戦争は、アジアの解放戦争だったなどとバカげたことを言い始めるからだ。

あの戦争は何も解放しなかった。
しいて言えば、日本人は天皇絶対主義のクビキから解放された。財閥や地主や神社の支配から解放された。負けたおかげで・・・だ。皮肉なことに我々の先祖を解放し、民主主義の基礎を植えたのは進駐軍だったのである。