国家神道が大日本帝国臣民の不幸の源である

 
人間は何を信じるか?によって生き方が変わるのです。
生きる方向性・・・行動が変わる。

戦前の日本人は
天皇は神(アマテラス)の子だ。だから、神風が吹く。だから戦争に勝つ」
と考えていた。

そういう事が小学校からずーと教えられていたのです。
教育は怖いものですね。

それで、「神風が吹く」・・・と信じていた人々は、どうしたか?

戦線をどんどん拡大したのです。

もしあなたが権力ある立場にいて、戦争をしかける決断をする時には思い悩むでしょう。
戦争で多くの人の命やいろんなものが破壊され、不幸になる。
そんな事を考えて決断するのに時間がかかる。

でも大日本帝国はどんどん戦線を拡大した。

なぜそんな事ができたか?

それは「日本は神国であり、アジアの盟主である」とか「いざとなったら神風が吹く」(だから戦争には勝つのだ)と信じていたからです。

こうした妄想に支配された日本軍と臣民。

15年戦争の始まりである満州事変もそうでした。

この事変を主導した参謀石原莞爾

天皇を崇拝する国である王道日本はアジアの盟主であり、覇道の国アメリカといずれは最終戦争をして勝つのだ

━と言うビジョンを軍の中で唱えていました。

王道の国?

つまり、日本は天皇のいるすばらしい国だからやがて、アジアは皆天皇にひれふし、そしてアメリカと戦って勝つのだ・・・と言う。

それで「天皇の下での五族協和ユートピアを創るのだ」と言って満州事変を引き起こした。

それからもう日本軍は各地で、戦線を拡大する一方でした。

先日放送されたNHK特集でも次のような事が証言されていました。

1、日本の戦争は、国家権力の統制が聞かない中で、軍部の独自の判断で、走ってしまった。

2.陸軍は陸軍なり、海軍は海軍なりに軍の拡大をしていく中でどんどん広がって行った。
 
3.陸軍では、軍組織を縮小しようとしたが、現場司令官たち(特に関東軍)の強い反対で、逆に、組織がどんどん大きくなって行った。

4.陸軍大臣の離任先は、関東軍の一つの司令官に人事になる人が多かった。ゆえに、かつでの陸軍のトップが現場にいるので、陸軍参謀本部でも陸軍の改革を進めるのは不可能になってしまった。

5.陸軍はできれば、ある時点で戦争を終えないといけないと思っていたが、海軍は「積極論で戦争の拡張を主張した。陸軍としては、海軍に引っ張られて行って、戦場がどんどん拡大されてしまった。

6.やがて、東南アジア、南太平洋まで戦線が拡大され、陸軍は東南アジア、海軍は太平洋沿岸に進み、戦に勝つことで、占領地から資源と燃料を得るための油田を奪い取る。そして、その管理は日本の400社以上が後管理をし、膨大な利益を得た。

理性をもっていた将校もたくさんいたのです。
それで、戦線の拡大をやめようと言うものもいた。

だけど、「王道日本」「アジアの盟主」とか「神風」とか信じる人達は、どんどん戦線を拡大していく。
何も考えずに、そのビジョンの中、行動して行く。

それは大きく分ければ4年毎に、戦線の拡大がなされて行った。

満州事変,上海事変から4年後(37年)には日中戦争が始まりました。
それから4年後(41年)には太平洋戦争が始まった。

それは皆、日本側が仕掛けました。

そして、その3段階に渉って「神国日本」式の妄想がひどくなった。

だから、国家神道の教育に染まっていた軍人達は、進出した各地に神社を創建し、これに礼拝することを強制しました。

日本国内でも植民地でもこれに礼拝しない者達を投獄したり、拷問したり、殺害した。

「神国日本」とか「神風」とか「アジアの王道」とか、信じていたからです。

7、30年代末~終戦まで日本の言論は軍部に操られ、言わば「国益」のために、応援する言論になり満州で負ける戦もあるのに常に日本軍が勝ち続けると報道した。当時の内閣は、作り上げられた国民の世論が戦争賛成の名分になり、力にもなった。当時軍部は、ドイツのヒトラーを研究した。世論操作の方法を適応した。
 
8.東条英機陸軍大臣兼総理は、海軍陣営で敗戦の報告が上がるにも関わらず、国民には内緒にして、勝ち続けていると知らせる。その位、海軍の支配力が強かった。

9.例え、関東軍では膨大な戦費として、日本本土の日銀や横浜正金銀行の貨幣を使わず、朝鮮銀行発行の貨幣を使い(戦場に銀行員を連れて行く)、万が一本国への被害は一切、行かないようにした

とNHK報道

つまりは、負けていても負けているとは言わない。

本当の事は報道されない。

たとえ、誰かが知っても、それを言うと警察に「赤だ」とレッテルを貼られて捕まってしまう。

だから、本当の事をだれも知らない。

それは神話教育を受けた国民が「日本は勝つ」と思っているからだし、大本営としては、そう思わせておきたい。

大日本帝国では教育として「日本は神国なのだから勝つ」と教えていたのですから。

司馬遼太郎がその著作の中で「ウソばっかりの大本営」と書いていた。


だから、ポツダム宣言が出されて、「もう降伏しなさいよ」と言われても降伏しない。

「本土決戦だ」とか言いながら、婦人にまで竹槍を持たせたりしていました。

もう理性では無い。

信じているのです。

「日本は神国だから負けない」「神風が吹く」

こうして学徒動員がなされ、特攻がなされた。

人間魚雷です。

人権もなにも考えていない。

狂気でした。


だから、戦後GHQが乗り込んできて、すぐにやったのが「国家神道の解体」だったのです。

アメリカは日本を研究していた。

東京にも毎日空襲しても降伏してくれないし、人間魚雷で突っ込んで来る。

困っていた。

そう言う行動の源が、どこにあるのか?

それが国家神道にあると知っていた。

だから、小骨の一本まで抜き取ろうとしました。

そして新しい憲法に入念に信教の自由を規定しました。第20条における〔信教の自由〕さらに政教分離を補強する第89条があります。


ところが、戦後60数年後の今日、あの敗戦を教訓にしない人達が現れている。


「日本の戦争は侵略じゃない、アジアの解放のためだった」

とか


「今の日本は、東京裁判史観による戦後洗脳教育の結果だ」


とか


それはあの戦争と大日本帝国について、きちんと整理しないまま来た戦後のつけが回って来たのです。






やれやれですね。

この問題を解決しないと現在の長引く不況も

天災による被害も

解決しないのです

              ━(祈り)━